家庭で出来る咀嚼訓練 -生後9~11ヶ月頃編-
口腔機能発達不全症とは
以前のブログで、口呼吸が原因で起こる、口がぽかんと開いてしまう子どもの対策についてお話しました。
口ぽかんや口呼吸など、先天性の疾患などがない健常児の、「食べる」「話す」「呼吸」などの機能の発達が不十分、あるいは正常な機能を得られていない状態を口腔機能発達不全症といいます。口腔機能発達不全症は、悪い歯並びなどの原因にもなります。
今回は、口や歯の成長の遅れが気になった時に家庭で出来る咀嚼訓練についてお話します。
子どもの特性や、年齢、口や歯の成長にあった訓練を組み合わせて行っていきます。ただし、子どもの成長スピードはさまざまです。何歳だからこれができていなくてはいけない、と思う必要はありません。無理をせず、気になった時に少し行ってみましょう。
かじり取り訓練(大人の介助あり)
少し大きな食べ物をひと口サイズにかじり取り、奥歯へ送る訓練です。
奥歯の表面部分が出ていなくても訓練可能です。
1.「バナナかじれるかな?」などと声がけをします。
2.前歯でかじり取りが出来たら、そのまま丸呑みをしないように歯ぐきや歯で噛むように、うながします。
3.よく煮て柔らかくしたにんじんなどをスプーンで食べさせ、両側の口角が収縮して押しつぶす訓練をします。
ポイント
ひと口量をかじり取るのが難しい時は、ひと口量分だけを指から出してつまむなど、かじり取る部分と量を大人が調節してあげましょう。
使用する食べ物
・よく煮た大根やにんじん
・バナナ
・舌で潰せるくらいの乳幼児用のお菓子
など
かじり取り訓練 (自分で)
大人の介助ありでかじり取りができる子どもは、自分で食べ物を手づかみで食べるかじり取りの訓練をしましょう。
ポイント
食べ物を口に詰めこみ過ぎないように、周りの大人が気をつけて子どもを見てあげてください。窒息につながる恐れがあります。
使用する食べ物
・せんべいなど少し硬さのある食べ物
※食べ物の触感や握る力を習得するために、時々、少し柔らかい食べ物を使用して、手でつぶしてしまう経験もさせてあげましょう。
歯ぐきや奥歯でかみつぶす訓練
ポイント
上記のかじり取りの訓練と一緒に、歯ぐき全体、舌、 頬の協調運動で食べ物をかみつぶす経験を増やしましょう。
使用する食べ物
・乳児用せんべい
・歯ぐきで噛めるくらいに煮た根菜
・いちごなど、果物をガーゼに包んだもの
口がぽかんと開いてしまう子どもについての対策方法や、口呼吸を防ぐための、顔まわりのストレッチ方法については既存のブログにて紹介しています。