親知らずを抜く基準と綺麗に生やすための咀嚼訓練
親知らずをいつ抜くべきか、または抜くべきなのかと悩んでいる方も多いと思います。ここでは、親知らずを抜く判断基準や、綺麗に親知らずを生やすための対策をお話します。
親知らずを抜くタイミング、推奨は20歳前後
親知らずを抜くタイミングとして最も推奨されるのは、20歳前後です。この時期は、親知らずの根が完全に成長しておらず、抜歯の難易度が低く、抜歯後の回復も早いので、痛みや腫れが比較的少なくて済む傾向です。30代以降になると、親知らずの根が深く成長し、神経に近づくため、抜歯の際に神経損傷のリスクが高まることがあります。また、口腔内の状況は一人ひとり異なります。患者さんごとの口腔状態に合った適切なタイミングでの抜歯が大切です。
抜いた方が良い親知らず
● まっすぐに生えていない
親知らずが正しく生えず、斜めや横向きに生えることがあります。この場合、歯磨きが難しく、歯垢や汚れが溜まりやすくなるため、隣接する歯がむし歯や歯周病にかかりやすくなります。
●むし歯になっている
親知らずは、他の歯に比べて磨きにくいため、むし歯になりやすい傾向があります。むし歯が進行すると、隣の歯にも影響が出ることがあるため、早めに抜く方が健康的な歯を維持出来ます。
●周辺の歯茎が炎症を起こしている
親知らずの周りの歯茎が腫れたり、炎症を繰り返すことがあります。進行すると、歯茎から膿が出たり、倦怠感など全身症状が現れる場合があります。
●歯並びの崩れの原因となっている
親知らずが正しく生えていないと、他の歯を押し出して歯並びを崩すことがあります。また、かみ合わせの悪化が全身の健康に影響を与えることもあります。
抜かなくていい親知らず
●完全に埋まっている状態
●綺麗にまっすぐ生えている
●かみ合わせが良い
咀嚼訓練で親知らず抜歯を予防
抜かなくてよい親知らずを生やすためには、親知らずが生えてくるための十分なスペースが必要です。そのためには、子どもの頃からの顎の発達が大切となります。過去のブログで、子どもの咀嚼訓練方法について記載していますので、無理のない範囲で行ってみてください。
家庭で出来る咀嚼訓練-生後9~11ヶ月頃編-はこちら>>
家庭で出来る咀嚼訓練-3歳〜学童期前後編-はこちら>>
健康な口腔内を維持するために、親知らずを抜くべきか悩む場合は早めに歯科へ受診していただくことが大切です。お気軽にご相談ください。